ここでは、ファイル階層の移動について学習します。
[学習フェーズ]
1. Linuxのディレクトリ構造とは?
Linuxでは、すべてのファイル・ディレクトリは「/(ルート)」を起点とした階層構造で管理されています。
WindowsやMacでも同じですね。
/
├── home/
│ └── user/
│ └── projects/
└── etc/
🔸2. pwd:現在のディレクトリを表示
pwd
→ 現在、自分がどの場所(ディレクトリ)にいるのかを確認します。pwd
は「print working directory」の略です。
🔸3. ls:中身を一覧で見る
ls
→ 今いるディレクトリにあるファイルやフォルダの名前を表示します。
オプション例:
ls -l
ls -a
🔸4. cd:ディレクトリの移動
cd フォルダ名
→ ディレクトリを移動できます。
相対パスと絶対パスの違い:
cdコマンドを利用する際、相対パスと絶対パスの2通りの記載方法があります。どちらも良く使うので、違いを理解しておきましょう。
種類 | 例 | 意味 |
---|---|---|
相対パス | cd projects | 今いる場所から見たパス |
絶対パス | cd /home/user/projects | / から始まる完全な住所のようなパス |
その他にも「. ドット」により、現在のディレクトリを省略表現させる、1つ上の階層に戻るなどの指定もできます。
.
… 現在のディレクトリ(省略可能)..
… 1つ上の階層に戻る
🔸5. clear:画面のクリア
clear
→ 画面の表示を一度クリアして見やすくします。中身は消えません。
[実践フェーズ]
※ JSLinux(Alpine Linux 3.12.0 Console)起動後、ターミナルで実行してください。
ステップ1:最初の状態を確認
pwd
ls
→ 現在の場所と、そこに何があるかを確認します。

現在は、「/root」に自分がいて、その場所には「bench.pyやhello.c」というファイルがあることが分かります。
Windowsで言うと、以下の画像のようにフォルダを見ているような状況です。

ステップ2:サンプル用ディレクトリを作成
次に、新規でフォルダを作成・確認を行いましょう。
mkdir test
ls -la
→ ディレクトリができたことを確認できます。

色の違いはフォルダか、ファイルかの違いです。
また、「.cache」などドットで始まるファイルは隠しファイル(フォルダ)と言います。
普通のlsコマンドでは表示されず、ls -la
をすることで確認できます。
ls -la
のオプション付きの場合、作成日時や権限、隠しファイルも見れ、さらに1行に1ファイルの表示となります。
lsコマンド単体よりls -la
を使った方が利便性が高いため、基本的にはls -la
を使うようにしましょう。
ステップ3:相対パス・絶対パスで動してみよう
事前準備
cd test mkdir dir1
相対パス:自分のいる場所を起点としてフォルダ階層を移動していきます。
cd /
pwd
cd /root
pwd
cd /test
pwd
cd /dir1
pwd
絶対パス:/
から始まる完全なパスで移動します。
cd / cd /root/test/dir1 pwd
ステップ4:一つ上の階層に戻る
cd ..
pwd
→ ..
で「一つ上のフォルダ」に戻れます。
ステップ5:混ぜてみる(応用)
cd /root/test/dir1
cd ../../
pwd
→ 2階層上に戻ることができます。
ステップ6:クリアで整理
clear
→ 手元がごちゃついたら、整理しましょう。
🎯 このフェーズのゴール
pwd
で現在地がわかるls
で中身が見られるcd
でどこへでも移動できる(相対パス・絶対パス)clear
で画面を見やすく整理できる