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【H-6】Tera Termマクロ

Tera Termマクロについて学習しましょう。

[学習フェーズ]

Tera Termマクロとは

Tera TermはWindows用のターミナルソフトで、SSH接続に広く利用されています。その中でも「マクロ機能」は、定型作業を自動化できる便利な仕組みです。マクロは .ttl という拡張子で保存し、スクリプトとして実行します。

例えば、以下のような作業を自動化できます。

  • サーバーへのSSH接続
  • コマンド実行
  • ユーザー操作の促し(確認ダイアログなど)
  • ログの取得や処理の終了

なぜマクロを使うのか

AWS EC2を利用する際、以下のような手順を毎回手動で行うのは非効率です。

  1. Tera Termを起動
  2. EC2に接続
  3. CPUやメモリの状況を確認
  4. ログアウト

マクロを使えば、これらの作業がワンクリックで完了します。特に運用現場では、定期確認や障害時の迅速な対応に役立ちます。

他にも、非エンジニアでもマクロを起動するだけでコマンドを流すことができるため、確認項目さえ手順化してしまえば1次調査など簡易的な調査ができるようになります。

マクロの基本構文

代表的なコマンドを押さえておきましょう。

コマンド説明
connectSSH接続を開始する
sendlnコマンドを送信する(改行付き)
wait指定した文字列が表示されるまで待機
messagebox確認ダイアログを表示する
exitマクロを終了する

これらを組み合わせることで、自由度の高い自動化が実現できます。

[実践フェーズ]

EC2に自動ログインし、CPU・メモリ確認を行うマクロ作成してみましょう。

1. 事前準備

  • Tera Termがインストールされていること
  • Tera Term設定にて「マクロを有効にする」をチェックしていること
  • EC2のパブリックDNS(例:ec2-xx-xx-xx-xx.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com

2. マクロファイルを作成する

メモ帳を開き、以下の内容をコピーして保存します。

; EC2ログイン&リソース確認マクロ

HOST = 'ec2-xx-xx-xx-xx.ap-northeast-1.compute.amazonaws.com'
USER = 'ec2-user'
KEYFILE = 'C:/path/to/your-key.pem'

connect '/ssh2 /auth=publickey /user=' + USER + ' /keyfile=' + KEYFILE + ' ' + HOST
wait '$'

sendln 'top -n 1'
wait '$'
messagebox 'CPU確認が完了しました。OKを押して次へ進みます。' '確認'

sendln 'free -h'
wait '$'
messagebox 'メモリ確認が完了しました。OKを押して終了します。' '確認'

sendln 'exit'

ファイル名は ec2_check.ttl とし、任意のフォルダに保存してください。

3. マクロを実行する

  1. 作成した .ttl ファイルをダブルクリック。
  2. 自動でTera Termが起動し、EC2へ接続されます。
  3. CPU情報が表示された後、OKボタンを押してメモリ情報を確認。
  4. 最後に自動でログアウトします。

4. 動作確認

以下の点を確認してください。

  • 正常にEC2へ接続できるか
  • 各コマンド実行後にプロンプトが戻るか
  • メッセージボックスが適切なタイミングで表示されるか